講義③:伝統的・非伝統的なカシミヤ毛の選別方法

講義③:伝統的・非伝統的なカシミヤ毛の選別方法カシミヤストール専門店 Lity&co

今日も元気にカシミヤ博士の講義の時間じゃ。

前回はカシミヤを取り巻く問題を講義したの。

その中でもとりわけカシミヤヤギ工場について深く懸念している話だったの。

今日はカシミヤヤギ工場がカシミヤ商品を作る時の工程、特に毛の選別方法をもう少し細かく話そうと思っておる。

 


中国などの工業的な方法は問題はありながらも非常に効率的じゃ。

わしらが扱うインド品は伝統的な作り方じゃが、とても非効率的でもある。

その違いを見ていけたら良いと思うの。

 

 

  • 工業的な分け方
  • まずは工業的な方法についてじゃ。

カシミヤヤギの毛の大きさは1匹1匹の個性があり、部位によっても違ったりするものじゃ。

特に外部から身を守るための外側の毛と、空気の層を作り保温するための内側の毛は全く違うのじゃ。

カシミヤは内側の毛のみ使うが、工場ではカシミヤヤギから毛を剃る段階で外側と内側の毛を区別することはできないからの。

品質の揃った商品を作るためには毛の選り分けが必要になるのじゃ。

この時に使う機械が除毛器(dehairer)と分離器(separator)じゃ。

名前の通り、毛を全て剃り上げてしまう除毛器と毛を選り分ける分離器じゃの。

この分離器は遠心分離という、回転力を利用する機械なんじゃ。

回転によって重さの違う毛を選り分けることができる。

例えば重い外側の毛は下部に集積され、軽い内側の毛は分離器の出口に集積されるといった感じじゃの。

同じようにして最初は外側と内側の毛を、次に内側の毛の中でも重いものと軽いものを、さらにその次に・・・と分けていくのじゃ。

ただこの機械の問題点はカシミヤの特徴である極めて細い毛や長い毛に対してダメージを与えてしまうことにあるの。

また長すぎる毛や細すぎる毛は分離できんのじゃ。せっかくの良い品質の毛は除き、中庸な毛のみを集めるのじゃ。

この工程を1つの集積されたカシミヤ毛に対して最低でも5回繰り返し、5~6時間ほどかけて選り分けていくのじゃ。

機械でやってても大変な労力じゃの。

そのため中国ではこの工程を短めにしてしまうことがままあるのじゃ。

結果完全な分離が出来ず、商品中に外側の毛が含まれてしまう原因になっておるのじゃよ。

 

 

  • 伝統的な分け方

一方でインドの伝統的な製法は、非常にシンプルじゃ。

彼らは毛を手で選り分けておる。

彼らは手で毛を触るだけでその品質や毛の長さ細さを見抜くことができる職人芸を持っておるのじゃよ。

こういった毛を触るだけで選別出来る技術は何もインド人の技だけではなく、日本の職人もやっておるの。

間違いなく時間がかかる方法じゃの。

ただこうして時間をかけることで品質の良い毛をしっかり選り分けることが出来るのじゃな。

 

 

 

  • 今日のまとめ

繊細なカシミヤの毛を選り分ける伝統的な方法と回転で機械的に選別していく工業的な方法がある。

 

この記事を書いた人

カシミヤ博士

カシミヤ大好き。カシミヤ博士